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2025/01/14   2025/01/29

せっかくのオーロラ鑑賞時には、綺麗な写真も撮って思い出に残したいですよね。カナダのイエローナイフでオーロラ撮影をしてきた経験を踏まえ、抑えておきたい、カメラの設定や必要なアイテムをご紹介します。

目次

    オーロラ撮影の難しさ

    オーロラの発生は100%予測することはできず、急に現れることもあれば、瞬く間に見えなくなってしまうことも。いざ綺麗なオーロラに巡り会えたときに、悔いなく綺麗な写真におさめられるよう、予め機材や撮影知識を準備しておくことが重要です。

    イエローナイフ オーロラ
    オーロラ カナダ イエローナイフ

    オーロラの撮影には、特有の難しさがあります。まず、暗い中で動きのある光を撮影しなければいけないこと。さらに、-10℃を下回る極寒の環境であること。それらを踏まえて準備が必要です。

    暗い中での光の撮影

    オーロラ撮影では、暗い環境で、動く光を捉えなければいけず、そこに難しさがあります。暗い中で光を捉えるには、シャッタースピードを遅くする必要がありますが、遅くするほど、ぼけやすくなってしまいます。いかにバランスを取るかが重要になってきます。

    光を多く取り込むには、シャッタースピードを遅くするだけでなく、「明るいレンズを使う」ことも有効です。絞り値(F値)が小さく、広角のレンズの方が光を取り込みやすいので、シャッタースピードを速めることができます。

    さらに、ISO感度を上げることでも、光を多く取り込むことができます。しかし、ISO感度を上げすぎると、ノイズが発生し、画質が悪くなってしまいます。ノイズの発生のしやすさは、カメラの性能によって大きく変わってきます。

    極寒環境での撮影

    さらに、オーロラを鑑賞する環境は、-10℃以下の極寒であることもしばしば。私は、イエローナイフで-36℃の中、オーロラ撮影をしました。極寒環境下では、それなりの機材を揃えないと、途中で動かなくなってしまう、といったことも起こりかねません。

    用意しておくべきアイテム

    オーロラ撮影時にあらかじめ用意しておくべきアイテムをご紹介します。

    一眼レフ

    可能であれば、用意したいのが高性能な一眼レフです。ISO感度を上げてもノイズが入りづらい、極寒の環境でも不調にならない、という点から、性能の高い一眼レフがあると安心です。

    私は、「Canon EOS 90D」を使用しました。-36℃で4時間ほどいても、壊れることなく、電池の交換も必要なく、安心して撮影ができました。同じ環境でも、小さめのミラーレスは途中で動かなくなるなどのトラブルがありました。もし、本格的な一眼レフカメラの購入を迷っている場合には、オーロラ撮影前に購入してもいいかもしれません。

    購入が難しい、という方は、レンタルするというのも手です。ゲオあれこれレンタルでは、Canon EOS 90Dを4泊8,740円〜でレンタルすることが可能です。

    もちろんすでにミラーレスやコンデジをお持ちの方は、それでも撮れなくはないので安心してください。より、綺麗な写真を撮りたい、途中でカメラが止まってしまうようなトラブルの確率を下げたい場合には、高性能カメラを検討してみてください。

    広角で明るいレンズ

    オーロラ撮影では、なるべく光を取り込めた方が、シャッタースピードを上げてくっきりとしたオーロラを捉えられるようになります。そのため、広角で明るいレンズがおすすめです。私が愛用しているのは、「Canon 超広角ズームレンズ EF-S10-22mm F3.5-4.5」です。オーロラ撮影ももちろんですが、普段の背景撮影などにも重宝し、一番利用しているレンズです。

    少し異なりますが、同じくCanonの「超広角ズームレンズ EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM」は、ゲオあれこれレンタルで4泊4,300円〜レンタルも可能です!

    安定感のある三脚

    カメラの他、欠かせないのが三脚です。シャッタースピードを遅くして撮影するので、三脚なしでは撮影が不可能です。

    カナダのイエローナイフでは、現地のツアー会社で貸し出しも行っていますが、1日$10以上かかります(オーロラビレッジは$10ドル、ベックスケンネルは$15.75/2025年1月時点)。数日間利用することを考えると、予め購入して持っていくことをおすすめします。

    三脚は値段もピンキリですが、一眼レフやミラーレスと使用するのであれば、ある程度しっかりしたものを選ぶことをおすすめします。私は最初3000円くらいの安めのものを持っていったのですが、初日で折れてしまいました。ある程度安定感があり、高さも出るようなものをおすすめします。

    極寒でも耐えられるSDカード

    冬のイエローナイフなどは、-20℃や-30℃以下にもなる過酷な環境です。そのような極寒環境では、SDカードが正常に動作しなくなってしまうことも。厳しい環境でも確実に動作し、書き込み速度の速いSDカードと言えば、プロのカメラマンも使っている「SanDiskのExtreme Pro(サンディスクのエクストリームプロ)」が有名です。私もこちらを-36℃のイエローナイフで利用しましたが、全く問題なく長時間使用できました。できれば用意しておいた方が、安心です。

    極寒に耐えられる服装

    極寒環境でのオーロラ撮影では、寒さとの勝負です。寒さに負けず、撮影に集中できるよう、服装もしっかりと準備をしておく必要があります。服装については、こちらも参考にしてみてください。

    カメラのセッティング

    オーロラの撮影にあたって、初期値としておすすめの設定をご紹介します。マニュアルモードを選択し、以下の設定を試してみてください。

    オーロラ 撮影方法

    フォーカス

    まず、フォーカスをマニュアルフォーカス(MF)に切り替えます。

    そして、明るい星がある場合には、その星をフォーカスポイントに定め、ファインダーの画面を見ながら、フォーカスリングを回して、該当の星が一番くっきりと小さく見える位置に調整します。

    明るい星が見当たらなかったり、うまくフォーカスを合わせられない場合には、無限遠(♾️)にレンズを合わせます。

    ISO感度

    ISO感度は、1600前後にまずは合わせ、調整していくことをおすすめします(800〜3200)。オーロラ爆発や月明かりなどで明るい場合、またはノイズが気になる場合には、下げていきます。

    シャッタースピード

    シャッタースピードは、10秒前後から調整していくといいと思います(1〜15秒)。オーロラの動きが激しいときは、なるべくシャッタースピードは速めたいところです。一方、薄いオーロラが微かに見えるときなどは、シャッタースピードを遅くして、光をたくさん取り込むようにします。

    実際に撮影したオーロラの写真をご紹介します。

    このときは、以下の機材、設定で撮影しました。

    • カメラ:Canon EOS 90D
    • レンズ:Canon 超広角ズームレンズ EF-S10-22mm F3.5-4.5
    • ファイル形式:RAW
    • ISO感度:3200
    • シャッタースピード:8秒

    タイムラプスもおすすめ

    静止画ももちろん素敵ですが、せっかくであればタイムラプスの撮影にもチャレンジしてみてはいかがでしょう。オーロラのダイナミックな動きを捉えることができて、素敵な映像が残せます。

    こちらの動画は、4つのタイムラプス動画を繋げ、再生速度を1/5前後に調整しています。タイムラプスは、下記の機材・設定で撮影しました。

    • カメラ:Canon EOS 90D
    • レンズ:Canon 超広角ズームレンズ EF-S10-22mm F3.5-4.5
    • タイムラプス撮影
    • ISO感度:6400
    • シャッタースピード:4秒 (〜0:34)、2秒(0:34〜1:19)、3.2秒(1:19〜)
    • 撮影間隔:4秒

    まとめ

    オーロラは、急に現れたり、刻一刻と姿を変えるので、素敵な写真を撮影するには瞬発力が大事です。

    事前に準備をして、素敵な写真をおさめてみてください!

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